「そうだね、私も君ぐらいの年には守る側として戦っていたな。――でも、どうしてだろうなぁ。君を見ていると、まるで自分の子ども達を見ているようで、ハラハラしてしまうんだ」
「そっか。お子さんがいるんだっけ?」

 少しだけ、セイジが抱えるているらしいハラハラ感の理由について考えたエルは、嫌な可能性に辿り着いて、機嫌を急降下させた。

「――……なるほど、分かった。俺が小さいからか」

 思わずエルが舌打ちすると、セイジが慌てたように言葉をつなげた。

「ちが、違うぞ。確かに君はまだ小さいが、そのうちきっと大きくなると思うッ。ほら、東洋人の成長速度は何とやら、という言葉があるだろう?」
「……外国人のことわざは知らないけどさ。まぁ、そうだな。これから伸びるんだろうな」

 エルは、半ばやけくそになって答えた。

 彼らが自分を何歳だと思っているのか知らないが、エルの身長は、ほぼ止まってしまっているようなものだ。日本人からいわせると、欧米人であるセイジ達の身体が大きすぎるだけなのだ。