セキュリティー・エリアとしては、一番目、二番目に比べて構造はひどく複雑で、元となった『エリス・プログラム』に近いらしい――とスウェンは話していた。

 今でも崩壊と再構築が続く【仮想空間エリス】が、どのような現状になっているのかの詳細は掴めていない状況だった。スウェン達が辿り着くまでには、少しでも解析を進めておきたい、というのが外にいるチームからの回答だったようだ。

「多分、難しいだろうね」

 支柱の部屋を出る際に、スウェンは一同にそうこぼしていた。

「結局、現場の判断が一番なんだよ。何が起こるのか、どう転がるのかの全ては、僕達にかかっている」

 その話を終えてからというもの、スウェンとログは、先頭に立って話し合いを続けていた。

 当然のように、エルの出番はどこにもなかったが、冷静になって自分の立場を客観的に見つめ返してみると、セイジの相手を押し付けられているような気がしないでもない。

 まぁ、多分気のせいなんだろうとは思うけれど。