「いちいち数えんな、クソガキ」
「ガキっていうな。つか、スウェン達が先に辿り着いているんじゃない? 俺達、だいぶ迷子になってるし」
これでは、セキュリティーとやらが働くまでもなく、いい足止め状態だ。
「先に来たスウェン達がセキュリティーに触れて、敵も彼らを追っていったのかもしれないよ」
エルが大きな背中に向かって問いかけると、ログが少しだけ歩む速度を落とし、思案するように口の中で呟き始めた。
「『敵がスウェン達を追ってる』から現れないなんて、あるのか……? 人間の軍隊じゃあるめぇし、セキュリティーの数が決まっているなんてないだろ。……………だとしたら何だ。マルクの作ったプログラムに沿って、きちんと作動しきれていないのか? ――いや、そもそも支柱の大本は……」
ログは声色を落として独り言を口にした。ほとんど口ごもって聞きとれなかったが、意思があるのか、というような単語だけはエルの耳にも入った。
その時、次の角を曲がったログが、唐突に足を止めた。エルは慌てて足を止めて、彼の背中へ衝突してしまう事を回避してから、何事だろうかと、彼が見つめる先の光景を確認すべく隣に並んだ。
そこは、道幅がとても広い通路になっていた。車が二台並んで通れるほど開けていて、真っ直ぐ先まで続いている。
その通路の真ん中に、体調五十センチほどの茶色のテディ・ベアが一体立っていた。
「ガキっていうな。つか、スウェン達が先に辿り着いているんじゃない? 俺達、だいぶ迷子になってるし」
これでは、セキュリティーとやらが働くまでもなく、いい足止め状態だ。
「先に来たスウェン達がセキュリティーに触れて、敵も彼らを追っていったのかもしれないよ」
エルが大きな背中に向かって問いかけると、ログが少しだけ歩む速度を落とし、思案するように口の中で呟き始めた。
「『敵がスウェン達を追ってる』から現れないなんて、あるのか……? 人間の軍隊じゃあるめぇし、セキュリティーの数が決まっているなんてないだろ。……………だとしたら何だ。マルクの作ったプログラムに沿って、きちんと作動しきれていないのか? ――いや、そもそも支柱の大本は……」
ログは声色を落として独り言を口にした。ほとんど口ごもって聞きとれなかったが、意思があるのか、というような単語だけはエルの耳にも入った。
その時、次の角を曲がったログが、唐突に足を止めた。エルは慌てて足を止めて、彼の背中へ衝突してしまう事を回避してから、何事だろうかと、彼が見つめる先の光景を確認すべく隣に並んだ。
そこは、道幅がとても広い通路になっていた。車が二台並んで通れるほど開けていて、真っ直ぐ先まで続いている。
その通路の真ん中に、体調五十センチほどの茶色のテディ・ベアが一体立っていた。