額の汗を何度か拭ったところで、ログが一時休憩を提案した。
二人は、アーチの階段に腰を落ち着けた。ログは階段上の広間に、エルはアーチの屋根の下にある階段に腰を下ろして座った。
エルは、息を整えながら頭上を仰いだ。アーチ状の小さな天井にも、階段のデザインが施されているという造りの細かさには、場違いな感心が起こった。仮想空間でも汗はかくのだなあと、そんな事を思いながらシャツの中に空気を送り込む。
クロエはボストンバックの外に出て、ひんやりとしたコンクリートで横になっていた。
少し落ち着いたところで、エルは、階段の上にいるログを横目に見た。彼はジャケットを脱ぎ、顰め面で明後日の方向を睨んでいた。
「お前、子どもが嫌いなの?」
「あ?」
唐突な質問に、ログが険悪な顔をこちらに向ける様子を見て、エルは呆れつつ言葉を投げ返した。
「さっきからさ、ガキの考えそうな国だとか何とか言ってたから、そうなのかと思って」
指摘すると、ログが眉間に皺を寄せたまま唇をへの字に曲げた。彼は数秒ほど押し黙り、それから、諦めたように溜息をもらした。
二人は、アーチの階段に腰を落ち着けた。ログは階段上の広間に、エルはアーチの屋根の下にある階段に腰を下ろして座った。
エルは、息を整えながら頭上を仰いだ。アーチ状の小さな天井にも、階段のデザインが施されているという造りの細かさには、場違いな感心が起こった。仮想空間でも汗はかくのだなあと、そんな事を思いながらシャツの中に空気を送り込む。
クロエはボストンバックの外に出て、ひんやりとしたコンクリートで横になっていた。
少し落ち着いたところで、エルは、階段の上にいるログを横目に見た。彼はジャケットを脱ぎ、顰め面で明後日の方向を睨んでいた。
「お前、子どもが嫌いなの?」
「あ?」
唐突な質問に、ログが険悪な顔をこちらに向ける様子を見て、エルは呆れつつ言葉を投げ返した。
「さっきからさ、ガキの考えそうな国だとか何とか言ってたから、そうなのかと思って」
指摘すると、ログが眉間に皺を寄せたまま唇をへの字に曲げた。彼は数秒ほど押し黙り、それから、諦めたように溜息をもらした。