どれほど眠っていただろうか。
ふっと意識が浮上して眠りから目を覚ましてみると、活気に満ちた沢山の声と物音にようやく気付いた。目を向けてみると、空はどんよりとした重々しい雲に覆われて薄暗く、通りには既に電気の光りが灯り始めていた。
私はそれらを一通り目に収めてから、もう夕刻前なのだということに気付いた。通りを歩く大勢の人々の靴音は忙しくて、聞き慣れた女が客とやりとりをしている声には少し疲労が窺えた。
それらの音や声を聞きながら、私はゴミ箱の間の奥で耳をかいた。
聞こえてくる人間の話からすると、本日は休日でもなさそうだった。それなのに何故、こんなにも『通り』は忙しそうなのだろうか?
普段とはちょっと雰囲気が違っている気がして、私は警戒しながら通りに顔を出した。どの店にも多くの人が立ち寄っていて、車の数も普段以上にある。いつもならこの時間にご飯を持ってくる女の店を見てみると、彼女は次から次へとテキパキと接客にあたっていた。
たまには、こういう平日もあるらしい。今しばらく食事は無理そうだと察した私は、再びゴミ箱の間に引っ込んで奥に腰を下ろした。へたに存在を気付かれて、面倒事に巻き込まれるのはごめんだった。
しばらく待っていると、辺りがとっぷりと暮れた。人の流れがゆるやかになり、次第に数も減っていって靴音も少なくなった頃、ようやく女がやってきた。
ふっと意識が浮上して眠りから目を覚ましてみると、活気に満ちた沢山の声と物音にようやく気付いた。目を向けてみると、空はどんよりとした重々しい雲に覆われて薄暗く、通りには既に電気の光りが灯り始めていた。
私はそれらを一通り目に収めてから、もう夕刻前なのだということに気付いた。通りを歩く大勢の人々の靴音は忙しくて、聞き慣れた女が客とやりとりをしている声には少し疲労が窺えた。
それらの音や声を聞きながら、私はゴミ箱の間の奥で耳をかいた。
聞こえてくる人間の話からすると、本日は休日でもなさそうだった。それなのに何故、こんなにも『通り』は忙しそうなのだろうか?
普段とはちょっと雰囲気が違っている気がして、私は警戒しながら通りに顔を出した。どの店にも多くの人が立ち寄っていて、車の数も普段以上にある。いつもならこの時間にご飯を持ってくる女の店を見てみると、彼女は次から次へとテキパキと接客にあたっていた。
たまには、こういう平日もあるらしい。今しばらく食事は無理そうだと察した私は、再びゴミ箱の間に引っ込んで奥に腰を下ろした。へたに存在を気付かれて、面倒事に巻き込まれるのはごめんだった。
しばらく待っていると、辺りがとっぷりと暮れた。人の流れがゆるやかになり、次第に数も減っていって靴音も少なくなった頃、ようやく女がやってきた。