「思えば変なメンバーだな」
どかっと寝そべった桐原くんが空を眺めながら呟く。
「たしかに。ここに桐原がいるのも変だし、三春とか瀬名とか、異色のメンバーだよね、今」
背にかかった髪を靡かせながら、琴音も楽しそうに愛嬌よく笑っている。
本当にその通りだ。
こんなメンバーで文化祭を過ごすなんて思いもしなかった。
絶対に、仲良くなれるとは思っていなかった人たちばかりだ。そんな人達と今、屋上に来て空を見てるなんておかしな話で、
「でも、楽しいなぁ」
無意識にこぼれたそれに、視線がぐっと集まった。
「あ、ごめん。つい」
「なんで。いいじゃん、楽しくて」
すかさず瀬名くんが同調してくれる。まるで彼も楽しいと思っているみたいで、なんだか頬が綻ぶ。
この二か月、本当にあっという間だった。
嫌で嫌で仕方がなかったのに、気付けば名残惜しさも感じてしまっている。こんな風に思う日がやってくるなんて夢みたいで、今でも夢を見ているじゃないかとさえ思う。
それでも、隣に瀬名くんがいて、琴音がいて、桐原くんがいて。
この今がどうしようもなく嬉しいと感じているのは、きっと生きているからだろうなと思ったりする。
いろんなことに向き合ってきた二か月間。
終わってしまうのは寂しくて、もっと出来たこともたくさんあったんじゃないかと後悔も残るけど、
「来年も楽しみたいね、文化祭」
また来年。
三年に進級して、同じ季節がやってくる。そんなときも、変わらずこの四人で集まれたら、すごく楽しいんじゃないだろうか。
「そうだね」
そう微笑んだ琴音も、
「まあな」
穏やかな表情をしていた桐原くんも、
「……だな」
少し寂しそうにしていた瀬名くんも、
みんな、思い思いになにかを考えていたのだと思う。
きっと、不確かな不安を感じながら、それでもそうだったらいいという小さな希望を持って、小さく輝く星を眺めていた。
どかっと寝そべった桐原くんが空を眺めながら呟く。
「たしかに。ここに桐原がいるのも変だし、三春とか瀬名とか、異色のメンバーだよね、今」
背にかかった髪を靡かせながら、琴音も楽しそうに愛嬌よく笑っている。
本当にその通りだ。
こんなメンバーで文化祭を過ごすなんて思いもしなかった。
絶対に、仲良くなれるとは思っていなかった人たちばかりだ。そんな人達と今、屋上に来て空を見てるなんておかしな話で、
「でも、楽しいなぁ」
無意識にこぼれたそれに、視線がぐっと集まった。
「あ、ごめん。つい」
「なんで。いいじゃん、楽しくて」
すかさず瀬名くんが同調してくれる。まるで彼も楽しいと思っているみたいで、なんだか頬が綻ぶ。
この二か月、本当にあっという間だった。
嫌で嫌で仕方がなかったのに、気付けば名残惜しさも感じてしまっている。こんな風に思う日がやってくるなんて夢みたいで、今でも夢を見ているじゃないかとさえ思う。
それでも、隣に瀬名くんがいて、琴音がいて、桐原くんがいて。
この今がどうしようもなく嬉しいと感じているのは、きっと生きているからだろうなと思ったりする。
いろんなことに向き合ってきた二か月間。
終わってしまうのは寂しくて、もっと出来たこともたくさんあったんじゃないかと後悔も残るけど、
「来年も楽しみたいね、文化祭」
また来年。
三年に進級して、同じ季節がやってくる。そんなときも、変わらずこの四人で集まれたら、すごく楽しいんじゃないだろうか。
「そうだね」
そう微笑んだ琴音も、
「まあな」
穏やかな表情をしていた桐原くんも、
「……だな」
少し寂しそうにしていた瀬名くんも、
みんな、思い思いになにかを考えていたのだと思う。
きっと、不確かな不安を感じながら、それでもそうだったらいいという小さな希望を持って、小さく輝く星を眺めていた。