「おネーサン、こんなところで何してんの?」


突然、上から声が降ってきたと思うとカシャン、とブランコをロックされた。


「ひっ!?」


後ろから覗きこむように、黒いパーカーのフードを被った少年が立っていた。

「ゆ、ユーレイ……?」


ぎゃーっと、叫びかけた口を少年の手に塞がれた。


「おい、こんな夜中にあんまり叫ぶなよ。」

そう言った少年の足を見ると、ちゃんと足があって幽霊ではなかったのだと胸を撫で下ろした。

だけどなんだって、こんな真夜中の公園にいるんだろう。

まあ、人のこと言えないけど……。

フードから覗いた髪は金色で、耳にはピアスが光っている。大人びた綺麗な顔立ちをしているが、高校生…いや中学生くらいだろうか。


こ、こんな時間に金髪ピアスって……もしやふ、不良!?


「あ、おネーサンも食べる?」


固まってしまった彼女に構うことなく、少年は目の前にずいっとコンビニの袋を押し出してきた。