「――そうだ。好きな……アイスの味は?」


初めて出会った日のことを思い出しながら、私はバニラに尋ねた。


「イチゴだよ。」


バニラは、少し照れながらそう言って私を抱き締めた。


「……私も。バニラだよ。」


それから、どちらからともなく「帰ろうか」と言って公園を出た頃には、夜が明け始めていた。


これから何度夜が来ても、もう独りじゃない。

怖いことも苦しいことも二人で乗り越えていこうね。

そうこの夜に誓った。