ふーっと二人でシャボン玉を吹いたけど、どう見てもバニラは煙草を吹かしているようにしか見えなかった。
ぶわっとあたり一面が仄かな光に包まれる。
夜の闇にきらきらとシャボン玉が輝いて、文字通り星が降ってくるようだった。
シャボン玉を飛ばすバニラの横顔は優しい目をしていて、どうしてか分からないけど、きっと本当はこのシャボン玉のように繊細なひとなんだろうなと思った。
同時に、いつかいなくなってしまいそうな、そんな気がして胸がざわついた。
ーーそれはきっと、バニラの横顔があまりにも綺麗だったから。
夏になったら海で花火をしようよ、最後にそう約束したのを覚えている。