「そなたがそんなに願ってくるなんて、無いからな。」

「はい!」

なーんて言って、堂々と他の女を抱けて、嬉しいでしょ。

私とは、初夜以来、何もないもんね。

「では、お願いしますよ。」

私は立ち上がった。

「あっ、つき……」

私を呼ぶ声がしたけれど、私は振り向かずに、神殿を後にした。


部屋で待っていたほのさんに、この事を伝えると、目を大きくして驚いていた。

「どうして、私なのですか!」

「いいじゃない。るか様の事、好きなんでしょ!」

私は、ほのさんの肩を叩いた。


その夜、ほのさんの寝室に、るか様が訪ねたと聞いた。

今頃、二人は……

その先は、考えないようにして、布団の中で私は、目を閉じた。