「それで?その後は?」

「いえ、何もありません。」

「うそぉ。ちょっと甘い時間くらいあったでしょ?」

ほのさんは、ちょっと照れていた。

「いえ。本当に、何もありません。」

「口づけも?」

「口づけなんて、そんな!」

ほのさんは、激しく頭を振った。

「そう……」


何だろう。

このほっとした気持ち。

私、ほのさんに勝ってるとでも、思っているの?

私だって、一度るか様に抱かれただけなのに。


「それじゃあ、まだ願いが叶ったって、言えないわよね。」

「えっ?」

私はスクッと立ち上がった。

「私、るか様にほのさんを、薦めてくる。」

「何を!奥方様が他の女性を薦めるなんて!」

「いいの。」

ほのさんだったら、私、いいと思ったんだ。

だって、ほのさんはずっと、るか様を想っていたんだし。

そんな事言って、私は最近、ここに来ただけだし。