その瞬間、ほのさんはるか様の足に、手を置いた。

「るか様。私は、あなた様を、お慕い申し上げております。」


言ったああああ!

そして、るか様は?


「ありがとう、ほの。」

ほのさんは、顔を上げた。

「いつも我の身の回りの世話をさせて、すまないと思っている。」

「いいえ、私が望んだ事でございます。」

するとるか様は、ニコッと笑った。

「ほののような女性に好かれて、我は幸せだ。」

「るか様っ!」

そして二人は、抱きしめ合った。


それを見て私は、二人に背中を向けた。

あーあ。他の人の恋を見るなんて、趣味も悪い。

しかもるか様は、私の旦那様だよ?

旦那様の浮気場面を見る妻って……

いやいや、元はと言えば、私が仕向けたんじゃないか。