ほのさんが、私の方をちらっと見る。

頑張って、ほのさん!

「あの……るか様に伝えたい事がありまして。」

するとるか様は、くるっとほのさんの方を向いた。

「聞こうか。」

でもほのさんは、緊張してなかなか言い出せない。

それでもるか様は、苛立つ事もしないで、ほのさんが言うのを待っている。


「その……まずは、今まで私を、この屋敷に置いて頂き、ありがとうございます。」

「ああ。」

「そして……」

ほのさんの目から、涙が出た。

「私は、持ってはいけない感情を、持ってしまいました。」

「ほう。どんな?」

るか様が、ほのさんの顔を覗き込む。

それにびっくりするほのさんは、また涙を流している。

「言ってごらん?この世に、持ってはいけない感情など、有はしない。」

「るか様……」