「はあ……」

魚に好かれても、どうする事もできないしな。


まだ笑っているほのさんを見て、笑うと可愛い人だなと思った。

「ほのさんは、ここに来る前は、何をしていたの?」

「何を?つき様と一緒ですよ。結婚する相手を待っていました。」

「もしかして、好きだった人?」

「はい。私は庶民の出だったんですがね。両親達が、もう結婚相手を決めていたんです。」

両親達か。

私は、勝手にはやてと仲良くなって、両親は勝手に、私達が結婚してもいいと、思ってくれていた。

「ここに来た時は、るか様は残酷な事をなさると思いましたけど、今はここでお世話になっていて、よかったと思いますよ。」

するとほのさんは、立ち上がった。

「そろそろ、お夕飯の支度をしてきますね。」

「あっ、ほのさん。」

私は、部屋を出て行こうとするほのさんを、止めた。

「……何でもない。」

ほのさんはクスッと笑って、部屋を出て行った。


もしもよ、もしも。

ほのさんは、るか様の事、好きみたいだけど。

るか様も、ほのさんを好きだとしたら?