私は、外を眺めながら、虚しい気分になった。

結婚すれば、相手の旦那様に、求められると思っていた。

少なくても、はやてはそんな性格だったから。

それが今はどうか。

旦那様であるるか様に求められず、ただじっと、こうして部屋で外を眺めているだけ。


私は一体、何をしにここへ来たのだろうか。


その時だ。

鯛さんが湖を泳いで来た。

「げほっ!」

「鯛さん!」

鯛さんの登場は、いつも苦しそうだ。

私の部屋に突然飛び込んできて、畳の上でのたうち回る。

「大丈夫?鯛さん。」

「大丈夫……」

そしてムクっと起き上がった。


「暇そうだな、奥方。」

「暇そう、じゃなくて、暇です。」

「そうか。鯛の踊りでも見るか?」

そう言って、鯛さんは急に踊りだした。