「ははは……」

安心した私は、気が抜けた。

「なぜ笑う?」

「だって神様なのに、寿命があるのかって……」

その時、るか様のほのかな匂いを感じた。

「神とて、寿命がある。人間に忘れ去られた時だ。」

「えっ……」

「人間が、我を忘れない限り、我はこの姿で生きている。だが、人間が我を忘れた時、この姿も無くなるのだ。」

「そうなの。」

ふとるか様を見ると、とても切ない顔をしていた。


「つき……」

いつもは”そなた”って言うのに。

知らない間に、ドキドキしてきた。

「そなたを失うかもしれないと思ったら、本当に心が凍った。」

「るか様。」

「つき。我の側を離れないでくれ。ずっと、我の側にいてくれ。」

私は、一瞬息が止まった。

有り余る程のるか様の愛情を受けているのに、私は返事ができない。

どうして?