「では、もう部屋でゆっくりしろ。」

「はい。」

私が立ち上がると、るか様も立ち上がってくれた。

「くれぐれも、危ない事はしないでくれよ。」

「分かりました。」

私は頷くと、るか様のいる場所から、立ち去った。


廊下を歩く足音も軽い。

村に雨が降った。

私がここに来たのは、無駄じゃなかったんだ。


そして向こう側から、ほのさんがやってきた。

「ああ、つき様。ようやく雨が降りましたね。」

「そうなの。ほのさん。」

私達は手を取り、喜び合った。

「どのような方法で、雨を降らせたんですか。」

「実は、るか様の短刀で、死のうとして。」

「まあ!」

ほのさんは驚いたけれど、直ぐに笑顔になった。

「でもよかった。これで、日照りも解消できれば。」