「ああ……雨が降った……」

私は力が抜けて、その場に膝を着いた。

「これでいいだろう。」

「はい。ありがとうございます。」

その瞬間だった。

るか様が、私の身体を抱き寄せてくれた。

「るか様?」

「もう、あのような真似をするな。」

私は胸を締め付けられた。


もしかしたら、やり過ぎたかな。

でも、あそこまでやったから、るか様も動いてくれたんだし。


「返事は?」

「は、はい。」

「よし。」

その時のるか様の笑顔、私は忘れない。

優しく微笑む顔を見たのは、もしかして初めて?