心。心って、何?

「るか様、私は……あなたの顔を思い出すだけで、胸がドキドキします。それは、心を奪われた事ではないのでしょうか。」

るか様は、私をじっと見た。

「それだけでは、ダメなんでしょうか。」

必死に訴えた。

「もし、それが違うと言うのであれば、もう私には分かりません!」


どうすればいいの?

どうすれば、雨を降らせてくれるの?

どうすれば、るか様に心をあげる事ができるの?


「るか様、お願いです。これ以上は、私の命を差し上げなければなりません。」

それを聞いたるか様は、フッと笑った。

「心を捧げる為に、死ぬか。それもまた一興。」

そして、ハハハと笑う。


この人にとっては、私の命もどうだっていいんだ。

心が欲しいだなんて言って、本当はただ見て楽しがっていただけなんだ。

もういい。

これ以上、苦しみたくない。

村の役に立たないのなら……