「るか様!」

「どうした、騒々しいな。」

「今直ぐ、雨を降らせてください!」

するとまた、るか様は私に背中を向けた。


でも今度は、何としてでも、雨を降らせる!


「るか様!村の人は、また生贄を捧げるつもりです。」

それを聞いて、ゆっくりと振り返ったるか様。

「お願いです!これ以上、生贄を作らないで下さい。」

私はるか様にすがった。

「生贄になる女の子は、私の友達なんです。お願い!雨さえ降れば、ときは生贄にならずに済むの!」

だが、るか様からは返事がない。

「これ以上、生贄を増やして、どうするの?また、この屋敷に迎えるのですか?あなたの妻として?」

「いや、もういい。そなたがいるのなら、妻として迎えない。」

「じゃあ、どうする気なんですか!?一人の人間の命が、かかっているんですよ!?」

私は、いつしか泣いていた。

「お願いです、雨を……雨を降らせてください。」

るか様の前で、大泣きした。

どうすれば、この人は動いてくれるのだろう。


ー 我は、そなたの”心”が欲しい ー