それを聞くと、また腹が立った。

いい加減、雨の一つや二つ、降らせてくれればいいのに。


「……るか様のところへ、行かないのですか?」

「えっ?」

「今までだったら、怒ってるか様の元へ、行っていたのに。」

そうだ。

今までの私だったら、”早く日照りを何とかして!”と、言いに行っていたのに。


あの日、るか様に押し倒されてから、るか様の顔が忘れられない。

思い出しては、ドキドキして。

興奮して、眠れない時もある。

こんな状態で、るか様にあったら、また何を言われるか、分からない。


「るか様のいる場所は、外の社殿と繋がっていますから、もしかしたら外の世界が、覗けるかもしれませんよ。」

「ええ!?そうなの?」


湖に身を投げる時、向こう岸に見えた、小さな社殿。

あれが、るか様のいる場所と、繋がっている!

見たい!

外の世界が、どうなっているのか。