「そうだわ!ほのさんだったら、この襖を開けられるわよね。」

「ええ、まあ。」

ほのさんが手をかざすと、襖は簡単に開いた。

「そして私も一緒に出る。」

すると私は、廊下に出る事ができた。

「ほら。」

だが、ほのさんが廊下に出た途端、私は何かの力に押され、また部屋に戻ってしまった。


「そんな!」

そして強制的に、襖は閉まってしまった。

「待って!」

また襖は、鉄のように固くなった。

「お願い!るか様、開けて!」

襖を叩いても、音も鳴らなかった。

「るか様!これ以上、日照りが続いたら、村は全滅してしまう!そうしたら、るか様へのお供え物だって、無くなってしまうわ!」

そう言っても、襖はぴくりともしない。

私は、自分の無力さを知って、襖の前に膝を着いた。


どうして私は、ここにいるのだろう。

村を救う為に、湖に身を投げたというのに。

まるでこれじゃあ、役立たずじゃない。