ふふーんと、るか様がちらっとこっちを見る。

それが、悪戯している感じで、腹が立った。

「ふざけている場合では、ないんです。」

「ふざけている?」

「村では、この日照りで作物が育たないんです。来年の食う物も無くなるんです。だから、一刻を争う事なんです!」

私はるか様に、迫った。


「そうは言われても、こちらにも都合と言うものが……」

「るか様の都合なんて、どうだっていいでしょう!」

「なに?」

初めて見るような、顔だった。

「我を誰だと思っているのだ。」

「いや、その……」

「我は水神ぞ!人間であったおまえに、指図など受けんわ!」

その瞬間、私の身体は宙に浮いた。

「きゃああ!」

「しばらく、自室に籠っていろ!」

るか様がそう言うと、私の身体はそのまま風に持って行かれてしまった。