はやての時みたいに、ずっと一緒にいたいと思う事なんだろうか。

私は、外の景色を見た。

水面がゆらゆら揺れている。

綺麗だなと思っていると、鯛の頭をした人がその中を泳いでいた。

「ええええー!」

「げほっ!」

そして、急に私の部屋へ飛び込んで来た。

「なにぃぃぃぃ!」

「突然の事で、びっくりさせた。」

鯛がしゃべった!

「ほのの事は、気にせんでいいよ。」

「えっ?」

何を話すと思ったら、ほのさんの事?

「ほのの気持ちは、るか様も分かっている。このままの距離感が、あの二人にはいいんだ。」


切ない。

片想いの距離が、一番いいだなんて。


「じゃあな。余計な事はするなよ。」

そう言って鯛はまた、湖に入って行ってしまった。

「……鯛って、湖にいないでしょ!」

一人でツッコミを入れたけれど、直ぐにまた切なくなってしまった。