私は部屋を出て、左側に曲がると、るか様のいる場所まで、足音を鳴らして歩いた。

「るか様。」

ずんずん歩いて、るか様の側に座った。

「またおまえか。」

迷惑そうなるか様の表情に、ちょっとイラっとしたけれど、そんな事構っていられない。

「るか様、お話があります。」

「なんだ。」

「ほのさんから聞きました。今までは、生贄を湖に捧げれば、雨を降らせてくれたというのではありませんか。」

るか様の表情は変わらない。

「どうして、私の時だけ、雨を降らせてくれないのですか。」

「言っただろう。おまえは、私に心がない。」

そしてまた私に、背中を向ける。


心がないって、なんだか私に好かれたいみたいじゃない。

私ははっとした。

「ヤキモチを妬いているのですか?」

「はあ?」

「だって、そうですよね。私に、好かれたいって言っているみたいですもの。はやてに妬いているのだわ。」

「なぜ、我が見た事もないそのはやてという男に、妬かなければいけないのだ。」

そうは言っても、るか様、焦っている。