私は急いで、るか様の元に走った。

「るか様!」

「静かにしろ。」

私はるか様の言う事を聞く事なく、彼の側に寄った。


「今、ほのさんに教えて貰いました。外の世界はまだ、日照りが続いていると。」

「だからどうした。」

「それは、るか様の御心が、動かないからだとも教えて貰いました。」

するとるか様は、また顔を背けてしまった。

「なぜですか?それでは、私がここに来た意味がないでは、ありませんか。」

聞いても、るか様は黙っている。

「お願いです。私の命と引き換えに、村を救って下さい。」

私はるか様に向かって、手を合わせた。

「お願いです。るか様。」

いくら頼んでも、るか様は、うんともすんとも言わない。

「るか様!」

「黙っていろ!」

怒られて、身体がビクッとした。

「なぜ、この我が、何の見返りもなく、天候を変えなければならぬのだ。」

「えっ?」

何の見返りもなくって……私は、命を懸けたのに。