外を見ると、湖が見える。

えっ?私、湖の底から水面まで、どうやって上がってきたの?

ただ廊下を真っすぐ、歩いてきただけなのに?

「深く考えるな。あやかしの力で、外の世界と繋がっているのだ。ここにいる事は、外からは見えない。」

「そうなんですか。」


私ははぁっと、息を吐いた。

そのあやかしの力と言うモノに、付いて行けずに茫然としてしまう。


「ところで、話とは何だ。」

「それは……」

私はゴクンと息を飲んだ。

「……日照りはよくなったのでしょうか。」

するとるか様は、じーっと私を見た後、そっぽを向いてしまった。

「るか様?」

「知らん。外の世界の事は、ほのに聞け。」

途端に冷たい態度。

さっきまで、妻だからと言って、この場所を説明してくれていたのに。


「話が終わったら、行け。ここは我の祈りの場所だ。」

「は、はい。」