「でも私の家は貧しくて、嫁入り衣装も無く、ただ湖にお供え物と一緒に飛び込んだだけという感じでしたわ。」

「そうなの。」

「つき様は、ちゃんと式まで挙げて頂いて、本当によかったですね。」

それが、本当にいい事なのか、分からない。


「まあ、そんなに難しい顔をしなくても、いいですよ。ここは悠久の場所。何でも好きな事をされて、ごゆっくり過ごされるといいですよ。」

「え、ええ……」

「では、私は用があるので、失礼致しますね。何かあったらお呼び下さい。」

「分かったわ。」

そしてほのさんは、スーッと部屋の外に出て行った。


聞きたい事は、山ほどある。

でも一番は、私がここに来て、日照りが無くなったのか。

それが一番気になる。


「そうだ。るか様に聞いてみよう。」

私は立ち上がると、部屋を出た。

廊下は一本しかなくて、確か右に曲がったら、大広間に通じていた。

じゃあ、左は?

私は好奇心に駆られて、左側に向かった。