水神様に持って行く供物は、少ない畑で採れる野菜や、去年採れたお米が選ばれた。

「よし、持って行くぞ。」

村の若者が、供物を持ち上げる。


「はやて。」

私が呼びかけると、はやては笑顔で振り返ってくれた。

「つき。見送りに来てくれたのか。」

「うん。」


彼は、はやてと言って、村の若者の中でも、身長が高かった。

優しくて人気者で、皆から可愛がられた。

私も彼が好きだった。

彼も、私の事を好いてくれていた。

私達は、想い合っていた。


「お役目、頑張ってね。」

「おう、任せておけ。」


豪族の娘である私と、村の若者であるはやてとは、身分が違っていたけれど、そんな事は関係なかった。

いつか、はやてと結婚する事が、私の夢になっていた。

「無事に帰って来てね!」

「ああ!」