「ん?」

「いえ。」

心臓がドキドキしてきた。


「あの、どうして私を、妻に迎えようとしたのですか?」

るか様の手が止まる。

「逆に聞こう。どうして我が妻になろうと思った?」

「えっ?」

「そなたは、湖に身を投げる時に、我の妻になると覚悟しただろう。」


そうだったかな。

死のうと思っていた時だから、何を思ったのか、分からない。


「……それとも、ただの冷やかしだったのか?」

「えっ……」

「その衣装は、我をからかったのかと、聞いておる。」


そんな事言われても、まさか本当に水神様のお嫁さんになるなんて、思っていなかったから。

「すみません。まだこの世界の事が、よく分からなくて。」

るか様は、お酒をぐいぐい飲み干していく。

「それはそうだろう。この世界は、我が作ったモノだ。人間が分かる訳がない。」

と言う事は、私はもう死んで、人間じゃないって事?

あー、誰か説明して。