そっと布団から外を見ると、覆いかぶさっているのは、水神様だった。

「えええーっ!!」

「今更そんなに驚くものでもないだろう。」

「驚きます!」

私は慌てて、布団を出た。

そんな私の腕を、水神様は掴んだ。

「どうして逃げる?そなたは、我の妻になるのであろう?」

「妻⁉」

「嫁入り衣装で、湖に身を投げたではないか。我は、そなたを受け入れた。だから、この屋敷に招き入れたのだ。」

「そんな……」


嫁入りって、本当に水神様の奥さんになる事だったの?

そんな事があるなんて……

私は生きているの?死んでいるの?


困った私を見て、水神様は立ち上がった。

「おまえがどう思うと、今夜結婚式を挙げる。その覚悟でいろ。」

そう言って、水神様は部屋を出て行った。

「結婚式……」

突然降って湧いたその話に、私は茫然とした。