♢♢♢
屋敷へ帰宅すると履きなれない靴を脱ぎ自室の布団の上に体を休める。
みこはつばきの体を気遣って早めに就寝するように言ってくれた。
ドレスを脱ぐと素の自分に戻ったようで気が楽になる。
「それにしても…華族ってああいうパーティーや舞踏会を頻繁にやっているのかしら…」
眩しすぎる照明に煌びやかな衣装を纏った彼らを見て自分とは何もかもが違うと実感した。
特に花梨は本当に美しかった。京と並ぶと誰が見てもお似合いだろう。
両親同士で将来を話し合うほど、だ。京の決断が正しいのかどうかはわからない。
京の両親が言っていたこともまた、間違った考えとは思えないのだ。
「はぁ…」
浴衣姿のままボーっと考え事をしていると、襖の向こうから声がした。
疲れていて一瞬夢を見ているのかと思ったがそうではなかった。
京の声だった。
「つばき、開けるぞ」
「あっ…はい、申し訳ございません、」
直ぐに立ち上がるとほぼ同じタイミングで京が襖をあけてつばきの部屋へ入ってくる。
乱れた髪を見てベッドの上で眠っていたことはバレているだろう。
「いいんだ。今日は疲れただろう」
「いえ、今日は本当にありがとうございました。とても…いい経験が出来ました」
ついぽっと頬を赤らめたのは“愛している”のワードを思い出したからだ。
屋敷へ帰宅すると履きなれない靴を脱ぎ自室の布団の上に体を休める。
みこはつばきの体を気遣って早めに就寝するように言ってくれた。
ドレスを脱ぐと素の自分に戻ったようで気が楽になる。
「それにしても…華族ってああいうパーティーや舞踏会を頻繁にやっているのかしら…」
眩しすぎる照明に煌びやかな衣装を纏った彼らを見て自分とは何もかもが違うと実感した。
特に花梨は本当に美しかった。京と並ぶと誰が見てもお似合いだろう。
両親同士で将来を話し合うほど、だ。京の決断が正しいのかどうかはわからない。
京の両親が言っていたこともまた、間違った考えとは思えないのだ。
「はぁ…」
浴衣姿のままボーっと考え事をしていると、襖の向こうから声がした。
疲れていて一瞬夢を見ているのかと思ったがそうではなかった。
京の声だった。
「つばき、開けるぞ」
「あっ…はい、申し訳ございません、」
直ぐに立ち上がるとほぼ同じタイミングで京が襖をあけてつばきの部屋へ入ってくる。
乱れた髪を見てベッドの上で眠っていたことはバレているだろう。
「いいんだ。今日は疲れただろう」
「いえ、今日は本当にありがとうございました。とても…いい経験が出来ました」
ついぽっと頬を赤らめたのは“愛している”のワードを思い出したからだ。