「そのうち京さんも来ます。でもみのりが全く離れる気がないようで」
「…そうですよね」
「女性、子供に力づくで…というわけにはいかないですもんね。でも、だからと言ってあの行為は許されません。兄の私から謝罪します。申し訳ない」
「どうして宗一郎様が謝罪するのですか。私は大丈夫です」
「そうには…見えないんですけどね」
宗一郎がつばきの頭に手を乗せ、ポンポンと撫でる。兄のように、そう本人が言っていたように今は本当の兄のようだと思った。兄弟のいないつばきにとってこういう兄が本当にいればいいのにと思った。
と、その時襖が勢いよくあいて、京がつばきの部屋に入ってくる。
「つばき、」
「京様…みのり様は?」
「何とか逃げてきた。だが、すぐに追ってくるだろう。それより、」
京の目線がまだつばきの頭を撫でる宗一郎の手にいく。
「つばきさんが落ち込んでいたので、“兄”としてはやはり…ここは励ましてあげねば」
「そんなのは必要ありません。つばきには俺がいます」
京は若干怒気を孕む声でそう言うとずんずんとつばきに近づき、しゃがみ込むとつばきの手首を掴む。
「京様、私は今日はここで…」
「先ほどは悪かった。俺が悪い。みのりがまさか本気で俺を好いているとは思わなかった。だが、わかった以上、もう甘い対応はしない。本当に申し訳ない」
京が無理につばきを立たせ、ぐっと引き寄せる。宗一郎がいるというのに強く抱きしめられた。
「俺に考えがある」
「…そうですよね」
「女性、子供に力づくで…というわけにはいかないですもんね。でも、だからと言ってあの行為は許されません。兄の私から謝罪します。申し訳ない」
「どうして宗一郎様が謝罪するのですか。私は大丈夫です」
「そうには…見えないんですけどね」
宗一郎がつばきの頭に手を乗せ、ポンポンと撫でる。兄のように、そう本人が言っていたように今は本当の兄のようだと思った。兄弟のいないつばきにとってこういう兄が本当にいればいいのにと思った。
と、その時襖が勢いよくあいて、京がつばきの部屋に入ってくる。
「つばき、」
「京様…みのり様は?」
「何とか逃げてきた。だが、すぐに追ってくるだろう。それより、」
京の目線がまだつばきの頭を撫でる宗一郎の手にいく。
「つばきさんが落ち込んでいたので、“兄”としてはやはり…ここは励ましてあげねば」
「そんなのは必要ありません。つばきには俺がいます」
京は若干怒気を孕む声でそう言うとずんずんとつばきに近づき、しゃがみ込むとつばきの手首を掴む。
「京様、私は今日はここで…」
「先ほどは悪かった。俺が悪い。みのりがまさか本気で俺を好いているとは思わなかった。だが、わかった以上、もう甘い対応はしない。本当に申し訳ない」
京が無理につばきを立たせ、ぐっと引き寄せる。宗一郎がいるというのに強く抱きしめられた。
「俺に考えがある」



