直ぐに京がみのりから体を離した。
その場のみのり以外が言葉を失うほど驚いている。
「みのり、お前…―」
「何度も言っているではありませんか。私はずっと京様を愛しているというのに!」
つばきは俯き、そして黙って京の寝室から出ていった。
つばき、と京の声が背後から聞こえるが戻る気にはなれなかった。
行動力のあるみのりの言動にはため息が漏れることも多かったが同時にあのように素直に気持ちをぶつけられる彼女を羨ましいとも思っていた。
階段を上り、自分の部屋の襖を開ける。
そしてそのまま力なく畳の上に座り込む。
(キスをする京様を見たくはなかった…)
膝を抱えるようにして顔を埋め、泣きそうになっていると誰かが階段を上がってくる音が聞こえる。
「つばきさん、大丈夫ですか」
襖の向こうから宗一郎の声がした。
つばきは顔を上げ無理やり明るい声を出す。
「大丈夫です。ありがとうございます。今日は自室で眠ると京様にお伝えください」
「…そんなことをすれば、みのりの思う壺ですよ?開けてもいいですか?」
「はい、」
襖がゆっくりと開いて宗一郎が心配そうにつばきに駆け寄る。
その場のみのり以外が言葉を失うほど驚いている。
「みのり、お前…―」
「何度も言っているではありませんか。私はずっと京様を愛しているというのに!」
つばきは俯き、そして黙って京の寝室から出ていった。
つばき、と京の声が背後から聞こえるが戻る気にはなれなかった。
行動力のあるみのりの言動にはため息が漏れることも多かったが同時にあのように素直に気持ちをぶつけられる彼女を羨ましいとも思っていた。
階段を上り、自分の部屋の襖を開ける。
そしてそのまま力なく畳の上に座り込む。
(キスをする京様を見たくはなかった…)
膝を抱えるようにして顔を埋め、泣きそうになっていると誰かが階段を上がってくる音が聞こえる。
「つばきさん、大丈夫ですか」
襖の向こうから宗一郎の声がした。
つばきは顔を上げ無理やり明るい声を出す。
「大丈夫です。ありがとうございます。今日は自室で眠ると京様にお伝えください」
「…そんなことをすれば、みのりの思う壺ですよ?開けてもいいですか?」
「はい、」
襖がゆっくりと開いて宗一郎が心配そうにつばきに駆け寄る。



