「…未来?」
目元が真っ赤になっていた。顔を上げると京と視線が絡む。それを見るとまた、涙が流れた。咄嗟に本当のことを話していた。
話すべきではないことは理解していた。
「そうです。未来が見えるのです。京様を緋色の目で見たとき、京様がっ…血にまみれていたのですっ…どうしてそうなっているのかわからなくて。でも私の目は直ぐに同じ人物を見ることは出来ません。期間が必要なのです。京様の未来を変えるためにっ…見たのです、今」
「…そうか」
京は一瞬だけ目を大きく見開いたがすぐにいつもの顔に戻る。静かに、そしてつばきを安堵させるように落ち着いた顔を見せる。涙を指で拭いながら
「大丈夫、」と何度も何度も言ってくれた。つばきは深呼吸をしてからまた喋り出した。
だが、涙だけは止まってくれない。
「それで?どうして俺が血を流していたんだ」
「…京様が誰かをかばうような姿勢になっておりました。それが…私でした…。一瞬私が京様を刺したのではと思ったのですが、そんなことは絶対にありません。それに…逃げたという声が飛び交っておりました…誰が刺したのかまでは見ることが出来ませんでした…ごめんなさい…っ、私が刺されようとしていたのです。どうして庇ったのですかと未来の私が京様へ言っておりました。だから…っ京様が、」
目元が真っ赤になっていた。顔を上げると京と視線が絡む。それを見るとまた、涙が流れた。咄嗟に本当のことを話していた。
話すべきではないことは理解していた。
「そうです。未来が見えるのです。京様を緋色の目で見たとき、京様がっ…血にまみれていたのですっ…どうしてそうなっているのかわからなくて。でも私の目は直ぐに同じ人物を見ることは出来ません。期間が必要なのです。京様の未来を変えるためにっ…見たのです、今」
「…そうか」
京は一瞬だけ目を大きく見開いたがすぐにいつもの顔に戻る。静かに、そしてつばきを安堵させるように落ち着いた顔を見せる。涙を指で拭いながら
「大丈夫、」と何度も何度も言ってくれた。つばきは深呼吸をしてからまた喋り出した。
だが、涙だけは止まってくれない。
「それで?どうして俺が血を流していたんだ」
「…京様が誰かをかばうような姿勢になっておりました。それが…私でした…。一瞬私が京様を刺したのではと思ったのですが、そんなことは絶対にありません。それに…逃げたという声が飛び交っておりました…誰が刺したのかまでは見ることが出来ませんでした…ごめんなさい…っ、私が刺されようとしていたのです。どうして庇ったのですかと未来の私が京様へ言っておりました。だから…っ京様が、」