足取り軽くアパートに戻った春花だったが、玄関を開けた瞬間に体が強張った。
春花は電気を消した状態で外出したはずだが、部屋の明かりは煌々と灯り玄関には脱ぎ散らかした男物の靴がある。
まさかと思っているうちに、奥から不機嫌そうな顔をした高志がのっそりと現れ、春花は一歩後退りをする。
「……どういうこと?」
「やっぱり浮気か」
「何言ってるの?」
「どこへ行っていた?」
「コンサートだけど」
「そんなお洒落していくかよ」
高志は春花の服装を指摘する。今日の春花はフォーマルに近いワンピースにパンプス、そしてイヤリングを付け、髪は編み込みのアップスタイルでパールのついたバレッタを付けている。
ピアノのコンサートだからといってドレスコードしなくてはいけない決まりはなく、カジュアルスタイルでもちろん入場できるのだが、静に会えるという気持ちで普段より服装に気を遣ったことは否めない。
春花はバツが悪い気持ちになるが、そもそも高志とはもう恋人ではないのだから罪悪感を感じる必要はないのだ。
春花は電気を消した状態で外出したはずだが、部屋の明かりは煌々と灯り玄関には脱ぎ散らかした男物の靴がある。
まさかと思っているうちに、奥から不機嫌そうな顔をした高志がのっそりと現れ、春花は一歩後退りをする。
「……どういうこと?」
「やっぱり浮気か」
「何言ってるの?」
「どこへ行っていた?」
「コンサートだけど」
「そんなお洒落していくかよ」
高志は春花の服装を指摘する。今日の春花はフォーマルに近いワンピースにパンプス、そしてイヤリングを付け、髪は編み込みのアップスタイルでパールのついたバレッタを付けている。
ピアノのコンサートだからといってドレスコードしなくてはいけない決まりはなく、カジュアルスタイルでもちろん入場できるのだが、静に会えるという気持ちで普段より服装に気を遣ったことは否めない。
春花はバツが悪い気持ちになるが、そもそも高志とはもう恋人ではないのだから罪悪感を感じる必要はないのだ。