優陽くんは本を読むことがすきで、放課後おすすめの本の話をたくさんたくさんしてくれた。

カウンターの前で話しながら、いっしょに本の整理をしながら、掃除をしながら、本の話からたわいのない話までたくさんして。



本を夢中になって読んでいるときの顔、わたしに本を勧めるときの顔、めんどくさそうな顔、男友達には見せてない顔をわたしに見せてくれているような気がした。




放課後図書室にくる生徒はほとんどいなくて、開館している意味がないんじゃないか、と思っていたけれど、利用客がすくないのはありがたかった。




彼とふたりの時間が多くて、うれしくて、ふたりだけの空間のように思えた。