どうやったらたくさん話せるかな?どうやって会話を続けよう?と、悩んでるときだって幸せだった。




数ヶ月経ったころにはじめて通話をした。文字とも違って、学校で話すときとも違って、ちょっと恥ずかしかったけれど、電話の向こうのテノールボイスがすきだった。

どちらかが寝ちゃったら起きてたほうが電話を切る。わたしが先に寝ちゃうことが多かったけれど、たまに優陽くんの寝息を聞いた。


うれしくて、ずっと続けばいいと思って。




朝まで電話が繋がっていたときもあって、そのときはふたりで声を上げてわらった。




幸せだった、ほんとうに。

人生長くないのに、一番幸せって思っていたほどに幸せだった。