「先生、もう、真面目なんだから」

彼女はやっと俺から離れた。

嫌だったわけではない、これ以上抱きつかれてると、俺の理性が保たない。

やばい、真由香さんに惹かれ始めている自分がいた。

駄目だ、俺は首を横に振った、ありえない、彼に振られてちょっと頼られただけだ。

俺なんて彼女の中には存在していない。

彼女を抱きしめてキスをして、彼の事は忘れて俺にしろと言えたら、女性はキュンとするんだろうが、俺はそんな事は言えない。

「先生、先生の部屋に入れて、寒くなってきちゃった」

「すみません、どうぞ」

全く、妄想している場合じゃないだろう。

俺は真由香さんを部屋に迎え入れた。

「広い部屋、先生一人じゃ広すぎるでしょ、私が一緒に住んであげようか」

「それより、彼に振られたって、どう言う事ですか」

「うん、他に好きな子が出来たんだって」

「そうなんですか」

「やだな、先生が落ち込んでどうするの、先生は私を励さなくちゃ駄目でしょ」

「そうですね」