マンションに戻ると、真由香と過ごしたのがたった数日なのに、一人はなんて静かでつまらないのだろうと感じた。

担当医は最上で、本来なら家族でもない俺は真由香の病状を聞くことは許されない。

これから先のことを考えると、不安しかない。

ある日、真由香の病室に行くと、真由香はお願いがあると俺に甘えてきた。

「大我、お願いがあるんだけど……」

「なんだ」

「私を大我の奥さんにして」

俺は目をパチクリして驚いた。

まさか、真由香にプロポーズされるとは思ってもみないことだった。

「急にどうしたんだ」
「急じゃないよ、大我に巡り合った日から考えていたことだよ」

「退院してからでいいんじゃないか」

「それじゃ駄目」

「どうして?」

なぜ、すぐに俺と結婚したいのか、真由香の考えが分からなかった。

「一日でも永く大我の奥さんになっていたいの」

「よし、分かった、お父さんに許しをもらいに行ってくるよ」

「本当?」

そして俺は真由香の父親の元に向かった。