「駄目かも」

「神経内科をご紹介しますので、一度最上総合病院にいらして頂けますか」

「大我先生に診察してほしいの」

「すみません、神経内科は専門外なんです」

「ちょっとおしゃべりしてくれたら、気分が良くなるような気がするの、だから今日、先生のマンションへ行ってもいい?」

「俺のマンション?病院へきて頂きたいのですが……」

「先生のマンションには彼女がいるの?」

「いません、俺は付き合っている女性はいないですから」

「それなら決まりね、私のスマホに先生の住所送っておいてね、七時に行くからそれまで帰っていてね」

そしてスマホは切れた。

参ったな、ちょっと話聞いてやれば落ち着くだろう。

俺はそう鷹を括っていた。

急患が入り、病院を出たのが七時を回っていた。

俺は急いでマンションへ向かった。

十五分ほどで着く距離だったので、真由香さんに連絡しなかった。

駐車場に車を停めて、エントランスに向かった。

「真由香さん、すみません、遅くなってしまって」