「最上先生、梨花さんに会いに行ってあげなかったの、最上先生はずっと梨花さんに愛情感じなかったの?」

「いや、俺も徐々に梨花に惹かれ始めていたが、仕事が忙しくて、会いに行けなかった」

「今は相思相愛なんだ」

「なんか改めて言われると照れるな」

真由香は泣いていた。

「なんだ、どうした?」

「いいなあって思って」

「大我はお前が好きだ、ただ自分の気持ちを封じ込めようとしているだけだ、真由香次第でどうにでもなるぞ」

「うん、ありがとう、最上先生」

俺は真由香の病室を後にした。
まもなく真由香の退院の日がやってきた。

あの日以来大我は真由香の病室には現れなかった。

「真由香、絶対に無理はするな、いいか、もしまた呼吸が苦しくなったらすぐに病院へくるんだ、分かったな」

「大丈夫だよ、最上先生は心配性なんだから、私の病気は治ったんでしょ」

「あ、ああ、そうだな」

真由香は笑顔で退院していった、大我への思いを貫き通す気持ちで……

私はお父様の元に久しぶりに帰った。