「お、お兄ちゃんに恋人……彼女……むうっ、むうううううぅ!」
寮のラウンジに移動して、シャルロッテのことをみんなに相談した。
色恋の知識はさっぱりだ。
その点、みんなは年頃の女の子だから、そういう話には詳しいだろう。
そう思い、協力を仰ぐことにしたのだけど……
「んー……お姉ちゃん、そういうのはまだ早いと思うわ。レンは、もっと私に甘えてくれないと」
「まさか、レンとシャルロッテがそんな関係になるなんて……ダークホースね。ちょっとのんびりしすぎたかしら?」
「はわっ、はわわわ……しゃ、シャルロッテ様とレン君が、お、おおお、お付き合いを……!?」
「ほうほう。それはそれは、とても楽しそうだね! うん、ボクもやってみたいかも」
アラム姉さんは、よくわからないことを口にして。
アリーシャは真剣な顔になって、ぶつぶつと呟きつつ考え事をして。
フィアは、本気で俺達が交際を始めたと勘違いしていた。
メルは、ニヤニヤと笑っていた。
最後にエリゼは、ものすごく膨れていた。
なんだ、この反応?
「ちょっと、勘違いしないでくれません? レンと、その……ほ、本気で付き合うわけないじゃない。あくまでもフリですわ、フリ」
シャルロッテが慌てて否定した。
そこまで強く言われると、それはそれで微妙な気持ちになるな。
「ま、まあ、どうしてもというのなら、レンを、その……ほ、本当の恋人に……して、も……な、なんでもありませんわ!!!」
「?」
シャルロッテの態度もよくわからないな。
みんな、色々と様子がおかしい。
「ふしゃー……!」
エリゼは興奮のあまり猫化していた。
落ち着いて。
今も話したように、あくまでもフリだからな?
前々から思っていたのだけど……
エリゼはブラコンなのかもしれない。
慕ってくれるのは嬉しいけど、たまに度が過ぎる時があるような?
将来は俺のところから離れて結婚するのだろうから、そろそろ兄離れをした方がいいのだろうか?
まあ、それはそれで寂しいかもしれない。
って、話が逸れた。
「えっと……改めて説明するぞ?」
シャルロッテが見合いを持ち込まれて困っていること。
それをなくすために、俺が恋人のフリをすること。
その二点を説明した。
ちなみに、報酬として禁忌図書館に立ち入れるようにしてもらうことは黙っておいた。
なんでそんな報酬を望んだのか?
説明すると、かなり話がややこしくなるからだ。
「なるほど、そういう……よかった、お兄ちゃんに恋人ができたとかいう話じゃなくて……安心しました」
なんで安心なのだろう?
「それで……そんなことをあたしたちに話して、どうするつもり?」
アリーシャが小首を傾げた。
他のみんなも同じような反応だ。
「来週までに、俺とシャルロッテがちゃんとした恋人に見えるようにしたいんだ。そのためにどうしたらいいか、相談したくて」
「なるほどね……うん、事情は理解したわ。そういうことなら協力してもいいわ」
そういうこと?
別の事情が絡んでいたら、協力してくれなかったのだろうか?
なんとなく気になるものの、今は話を進めることを優先して、疑問は飲み込んだ。
「どうすればいいと思う?」
「そうね、まずは……」
――――――――――
特訓その1。
手を繋ぐ。
というわけで……
アリーシャの提案で、手を繋いでみることにした。
「……」
「……」
なんとなく恥ずかしい。
女の子の手って、小さくて柔らかいんだな。
前世では戦いばかりで、恋愛をしたことがない。
だから、実を言うと、女の子の手をまともに握るなんて初めての経験だ。
エリゼの手を引いたことはあるが、あれは、妹だからカウントされないだろう。
アリーシャと握手をしたこともあるが、あれは握手であって、手を握るというものとは違うと思う。
男心は複雑なのだ。
「ちょっと照れますわね」
意外というか、シャルロッテは頬を染めていた。
『超絶かわいいあたしと手を繋ぐことができるなんてラッキーですわね!』とか言うと思っていたけど、そんなことはなくて普通に照れていた。
女の子らしい。
素直にかわいいと思う。
「むぅ……レンの鼻の下が伸びているわ」
なぜかアリーシャに睨みつけられた。
――――――――――
特訓その2。
一緒に登校。
「恋人と言えば、一緒の時間を過ごすことが大事です。なので、一緒に登校してみるというのはどうですか?」
そんな妹の提案で、俺とシャルロッテは待ち合わせをして、一緒に登校することにした。
もちろん、二人だけだ。
「おまたせしましたわ」
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
シャルロッテと並んで学院までの道を歩く。
短い間だけど、今は二人きりだ。
なぜだろう?
シャルロッテが隣にいるだけで、いつもと違うような気がした。
華やかというか、心地いいというか……
「なんか、変な気分ですわね」
「シャルロッテもそう思うか?」
「ということは、レンも?」
「いつもと違う気分だ」
「これはこれで悪くありませんわね」
俺とシャルロッテは仲良く登校した。
「むううう……釈然としません、もやもやします」
こっそり様子を見ていたエリゼがメラメラと燃えていたらしいが、それはまた別の話だ。
寮のラウンジに移動して、シャルロッテのことをみんなに相談した。
色恋の知識はさっぱりだ。
その点、みんなは年頃の女の子だから、そういう話には詳しいだろう。
そう思い、協力を仰ぐことにしたのだけど……
「んー……お姉ちゃん、そういうのはまだ早いと思うわ。レンは、もっと私に甘えてくれないと」
「まさか、レンとシャルロッテがそんな関係になるなんて……ダークホースね。ちょっとのんびりしすぎたかしら?」
「はわっ、はわわわ……しゃ、シャルロッテ様とレン君が、お、おおお、お付き合いを……!?」
「ほうほう。それはそれは、とても楽しそうだね! うん、ボクもやってみたいかも」
アラム姉さんは、よくわからないことを口にして。
アリーシャは真剣な顔になって、ぶつぶつと呟きつつ考え事をして。
フィアは、本気で俺達が交際を始めたと勘違いしていた。
メルは、ニヤニヤと笑っていた。
最後にエリゼは、ものすごく膨れていた。
なんだ、この反応?
「ちょっと、勘違いしないでくれません? レンと、その……ほ、本気で付き合うわけないじゃない。あくまでもフリですわ、フリ」
シャルロッテが慌てて否定した。
そこまで強く言われると、それはそれで微妙な気持ちになるな。
「ま、まあ、どうしてもというのなら、レンを、その……ほ、本当の恋人に……して、も……な、なんでもありませんわ!!!」
「?」
シャルロッテの態度もよくわからないな。
みんな、色々と様子がおかしい。
「ふしゃー……!」
エリゼは興奮のあまり猫化していた。
落ち着いて。
今も話したように、あくまでもフリだからな?
前々から思っていたのだけど……
エリゼはブラコンなのかもしれない。
慕ってくれるのは嬉しいけど、たまに度が過ぎる時があるような?
将来は俺のところから離れて結婚するのだろうから、そろそろ兄離れをした方がいいのだろうか?
まあ、それはそれで寂しいかもしれない。
って、話が逸れた。
「えっと……改めて説明するぞ?」
シャルロッテが見合いを持ち込まれて困っていること。
それをなくすために、俺が恋人のフリをすること。
その二点を説明した。
ちなみに、報酬として禁忌図書館に立ち入れるようにしてもらうことは黙っておいた。
なんでそんな報酬を望んだのか?
説明すると、かなり話がややこしくなるからだ。
「なるほど、そういう……よかった、お兄ちゃんに恋人ができたとかいう話じゃなくて……安心しました」
なんで安心なのだろう?
「それで……そんなことをあたしたちに話して、どうするつもり?」
アリーシャが小首を傾げた。
他のみんなも同じような反応だ。
「来週までに、俺とシャルロッテがちゃんとした恋人に見えるようにしたいんだ。そのためにどうしたらいいか、相談したくて」
「なるほどね……うん、事情は理解したわ。そういうことなら協力してもいいわ」
そういうこと?
別の事情が絡んでいたら、協力してくれなかったのだろうか?
なんとなく気になるものの、今は話を進めることを優先して、疑問は飲み込んだ。
「どうすればいいと思う?」
「そうね、まずは……」
――――――――――
特訓その1。
手を繋ぐ。
というわけで……
アリーシャの提案で、手を繋いでみることにした。
「……」
「……」
なんとなく恥ずかしい。
女の子の手って、小さくて柔らかいんだな。
前世では戦いばかりで、恋愛をしたことがない。
だから、実を言うと、女の子の手をまともに握るなんて初めての経験だ。
エリゼの手を引いたことはあるが、あれは、妹だからカウントされないだろう。
アリーシャと握手をしたこともあるが、あれは握手であって、手を握るというものとは違うと思う。
男心は複雑なのだ。
「ちょっと照れますわね」
意外というか、シャルロッテは頬を染めていた。
『超絶かわいいあたしと手を繋ぐことができるなんてラッキーですわね!』とか言うと思っていたけど、そんなことはなくて普通に照れていた。
女の子らしい。
素直にかわいいと思う。
「むぅ……レンの鼻の下が伸びているわ」
なぜかアリーシャに睨みつけられた。
――――――――――
特訓その2。
一緒に登校。
「恋人と言えば、一緒の時間を過ごすことが大事です。なので、一緒に登校してみるというのはどうですか?」
そんな妹の提案で、俺とシャルロッテは待ち合わせをして、一緒に登校することにした。
もちろん、二人だけだ。
「おまたせしましたわ」
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
シャルロッテと並んで学院までの道を歩く。
短い間だけど、今は二人きりだ。
なぜだろう?
シャルロッテが隣にいるだけで、いつもと違うような気がした。
華やかというか、心地いいというか……
「なんか、変な気分ですわね」
「シャルロッテもそう思うか?」
「ということは、レンも?」
「いつもと違う気分だ」
「これはこれで悪くありませんわね」
俺とシャルロッテは仲良く登校した。
「むううう……釈然としません、もやもやします」
こっそり様子を見ていたエリゼがメラメラと燃えていたらしいが、それはまた別の話だ。