「ソフィアさんは魔術師という厳格な世界で育たれたのと、今回の任務についてそうとうプレッシャーをお持ちなので、シオン様も理解して差し上げてくださいね」
「ふーん。よくわかんないけど、はーい」
 シオンは右手を天井に向けてあげた。
「では、シオン様。お先にシャワーを」
「明日の朝使うわー。俺もう眠たい。おやすみー」
「そうですよね! では私は自分の部屋に戻ります」
「気にしなくていいよー。俺、もう疲れて気絶しそう」
 シオンは洋服を着替える事もせず、倒れるようにキングサイズのベッドに入った。気絶しそうと言っていたとおり、もう寝息が聞こえる。
 レオナルドはシオンの靴を脱がせたり、布団をかけなおしたりすると、電気を消してシオンの部屋からそっと出た。
 やっと一日が終わった。シオンを気遣い、ソフィアにも気をくばらなければならない。
 この上なく真面目を貫きとおすソフィアにはシオンのワガママっぷりに限界がきている事はわかっていた。