目が覚めると俺はどぶ臭い川の中にいた。

 素っ裸で月の光りに照らされながら、川から上がり、ゴミ捨て場から破れた服を見つけてそれを着た。
 服は予想通り、とても臭かった……。

 が、気にせず、冷えたアスファルトを歩く。
 それから、何も考えずに歩いた。時間も、人も、気にせずにただひたすら歩き続けた。

 俺はこれからどうすればいい? 
 生きたって仕方ないのに……。こんなにボロボロになって歩いても仕方ないのに……。
 アイツだって……アイツだって、あの〝光り〟に巻き込まれたに違いない……。

「ちくしょう……」

 二週間ほど、歩いただろうか。

 俺は東京に来ていた。
 メシを食わずに歩き続けられるのは、この呪われた身体、心臓……いや、心のせいか。
 償っても償いきれない過ちを犯した。

 俺は信じていた親友の肉を……心臓を食べた……。