美人二重面奏

 「やっぱり諦められない。今日のダンス公開、かわいかったよ。俺に告白してくる女の子はたくさんいるけど、さおりちゃんじゃなきゃダメなんだ。
 何度でも言う。俺と付き合ってください。」

 毎日怜くんからメッセージが来るようになって1週間。ずっと既読無視を続けている。学校ですれ違ってニコッとされるのも無視してしまう。

 「いいよって言ってもいいかな?」

 例の下書きはいまだに消せないし、送信もできていない。怜くんと付き合いたい気持ちもベビーフェイスとして売れたい気持ちもどんどん高まっている。

 「あーん、もう!」

 どうしようもできない気持ちは布団の中で発散させるしかない。

 「俺にはガクサイマジック、ないのかな?」

 答えたくても答えられないメッセージは日付を越えるまで続いた。