悠紫と何度も行った万華鏡美術館。近くには万華鏡工房があって、そこの親方は私たちに万華鏡のことを色々教えてくれた。
「お前らいつもおアツいな」
そう言われるたび悠紫は得意気で、親方は男として尊敬できるとよく言っていた。地元では眉を顰められていた私たちの病的なまでの愛を唯一肯定してくれた人だった。
「私、将来は万華鏡作る人になりたい」
「おう、そしたら俺んところに弟子入りすりゃいい。責任持って立派な職人にしてやるよ」
その日の帰り道、悠紫は不機嫌だった。
「水彩妃の夢は俺のお嫁さんって言ってたのに、あれは嘘だったの?」
「嘘じゃないよ。結婚してたって仕事はできるよ」
私は慌てて弁解した。
「俺は結婚したら水彩妃には家にいてほしいなあ。水彩妃は俺のお願いなら聞いてくれるよね?」
「うん、わかった」
あの日から、将来の夢は描かないことにした。
「お前らいつもおアツいな」
そう言われるたび悠紫は得意気で、親方は男として尊敬できるとよく言っていた。地元では眉を顰められていた私たちの病的なまでの愛を唯一肯定してくれた人だった。
「私、将来は万華鏡作る人になりたい」
「おう、そしたら俺んところに弟子入りすりゃいい。責任持って立派な職人にしてやるよ」
その日の帰り道、悠紫は不機嫌だった。
「水彩妃の夢は俺のお嫁さんって言ってたのに、あれは嘘だったの?」
「嘘じゃないよ。結婚してたって仕事はできるよ」
私は慌てて弁解した。
「俺は結婚したら水彩妃には家にいてほしいなあ。水彩妃は俺のお願いなら聞いてくれるよね?」
「うん、わかった」
あの日から、将来の夢は描かないことにした。



