「ねぇ、聞いてよー。今日電車にめっちゃかっこいい人いてさ、」
昼休み、4人で話していると陽菜がそう言う。
私の学校は私立の女子校なので彼氏を求めて飢えてる子と全く興味のない子、彼氏持ちの3つにほとんどの子がわけられる状況だ。
ちなみに私は恋がよくわかっていないし興味がないタイプだ。
「陽菜もメンクイだよねぇー」
仁香がそう突っ込みながらもどんな人か聞いている。
きっとなんだかんだ興味があるんだろうな、なんて思いながら話を聞いてると恋バナが始まった。
「みんな好きな人いたりするのー?」
「今は居ないかな」
そう答える仁香に陽菜がくいつく。
「今はってことは前はいたの?」
「まぁそれなりには?」
「へー」
やっぱりみんな好きな人がいたりするんだな、なんて思っていると話が振られる。
「優羽は?」
「居ないよっていうか恋がなんなのかわかんないってゆーかんじでさ。みんな好きな人いた事あるみたいだしどんな感じなの?」
「そーだなぁ、ふとした瞬間にどきどきしたり?ほかより輝いて見えたり!」
なんて言う陽菜に奈々美が
「私は一緒にいると楽しいけど落ち着いたりとか」
「人によって違うとこあるよね!」
仁香が続く。
「そういう仁香は?」
「かっこいいけど可愛く見えたりとか?あとその人の特別になりたいかな。」
「なるほどねぇ」
3人が話してるなか考えると、ふと思い出すのは杏莉と遊んだ時のこと。どれだけ人が多くても杏莉のことは見つけられたし杏莉のそばは落ち着ける。
それなのに少しどきどきしていて、いつもより可愛く感じた。
もしかして、なんて思ってすぐに否定する。違う、よね。杏莉のことは大事だし特別だけどそれは友達としてであって…
「優羽?どうかした?もしかして当てはまる子でも見つけちゃった?!好きな子出来ちゃった?!」
少し茶化したように陽菜は聞いてきたけれど。
もしかしたら私は杏莉のことが好きなのかもしれない。急速に顔に血が上るのがわかる。きっと顔も赤くなっているのだろう。
「え、まじで?!誰?同い年?年上?それとも年下?!」
「ちょ、陽菜一旦落ち着けって。」
「ごめん、奈々美。少し興奮しすぎたわ
で、優羽好きな人見つかっちゃった感じ?」
陽菜が私に聞いてくる。
きっとこの人達なら。話を聞いてくれるかもしれない。
「う、うん。もしかしたら、だからわかんないけど…」
初めての感覚にわからないまま答える。
「どんな人なの?その人といるとどんな感じ?」
仁香がここぞとばかりに聞いてくる。
「えっと、可愛いんだけどかっこよくて、人一倍気を使っちゃう子で。でも私の前ではそんな事しなくてもいいのにって思ってる。一緒にいると落ち着くけど楽しくてずっと一緒に居たいなって。」
勇気をだして正直に言ってみる。
同い年だけれど恋に関してはきっと3人の方が先輩だから。
「うわぁーいいねぇ。初々しいねぇ」
「いや奈々美は何目線なのよ‪w」
「その子との関係は?」
「えっと、友達?」
何も分からないまま正直に答える。
「そっかー、いいじゃん!いいじゃん!」
なんて盛り上がってるとチャイムがなる。
「あ、やば!まぁなんかあったら言ってよ!相談のるからさ。」
「ありがとう!」
相談できる先輩がいるのはとても心強く感じて。この3人と友達で良かったと改めて感じた。