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「まぁ、同じクラスになれたのは本当に偶然なんだけど」
「そこまでして追いかけてくる普通?」
と、さっきまでお通夜のような雰囲気から脱しいつもの僕達の雰囲気に戻っていた。
「それだけ救われたんだよ。だから、今度は…俺が颯馬を救う番だ」
「そうか…」
よく考えると今まで勘違いだと思っていたことが点と点を結ぶように合致していく。
あの夕陽で照らされた夏海が悲しそうな顔をしたのは僕が昔、夏海を助けたことを忘れてしまったからなのだろう。
だけど、僕はもう。何度も夏海に救われているさ。
その言葉に。
その笑顔に。
その行動に。
「ねぇ、僕夏海の事が好き。恋愛の意味で」
言ってしまった。
冷や汗がすごい。座っているが手や足は震えている。喉もとても熱い。この場から逃げたくて仕方がなかった。でも、それだけじゃダメなんだって教えてもらった。逃げてばかりじゃ何も無いと。下ばかり見ていても何も起こらないと。
だから、夏海が語ってくれる答えに目を背けず、じっと夏海の目を見つめた。
「…俺は恋愛の意味で颯馬を今は好きじゃない…でも、俺は友達として颯馬が好きだ。俺を救ってくれたヒーローであるお前のことが大好きだ。」
後ろで咲く花火よりも眩しい笑顔で言ってくれるから僕も涙でくしゃくしゃに顔を持ち上げて笑ってみせた。
「…夏海らしい答えだ」
今の僕にはその答えだけで十分だった。
僕はきっとこれから何度も夏海に助けられる。その度に夏海は僕に最高の笑顔を見せてくれるだろう。
でも、僕は変わると誓った。
誰かが作った「普通」なんかにもう囚われない。
もう、自分で自分を否定にない。
これからは僕は「僕」であるために自分が「自分」で居られるために生きるんだ。
これからも僕のことを快く思わない人が。
気持ち悪いと言ってくる人がいると思う。
そんな誰かの言葉なんかに左右なんてされない。
僕はこれからは前を向いて生きると決めたのだから。
きっとこれからならできるはずだから。
夏海と一緒ならそれが可能になるはずだから。
空に大きな花火がいくつも上がる。
この暗闇の空の中には、大きいいろんな色の花火が咲き誇っていた。