母さんへ

私はこの船に乗れて光栄に思っています。
私が家を出発した日の事を覚えてしますか?
母さんが手作りのお守りを私にくれた時とてもうれしかったのです。
あの日の夕飯の食卓が私の好きな物で埋め尽くされていた時は涙が出そうになりました。
きっと私はこの国で1番の幸せ者です。
この船に乗れて。
母がこれほどまでに私を愛してくれていて。
私はとても幸せでした。
今までありがとうございました。
私はきっと、もう、動かぬ手でこのお守りを握りしめたまま見つかることでしょう。

さようなら。みんな。

さようなら。あなたに届くことの無い深海行きこの手紙。